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【認知症】終末期の症状と対策。家族に迫られる決断は?

認知症が進行し脳の萎縮が極限に達すると、終末期(ターミナル)を迎えて寝たきりになります。

発熱やけいれん発作などの症状は対処できますが、どこまで延命治療をするのか。

家族が重い決断を迫られることも覚悟しておかなければなりません。

今回は、認知症・終末期の症状と対策について紹介いたします。

認知症の終末期、いずれは寝たきりに

かもねぎ
まだ死にたくない。安楽死なんて絶対イヤだ!
100歳超えたし、大往生じゃないか。
ひとなみ
ザンネン
心も体もキレイなまま、天国に行きたいわ(*^。^*)
ボケるのも、ある意味で幸せかも。
ひとなみ

アルツハイマー型認知症のケース

認知症疾患の多くは、慢性進行性の経過をたどります。アルツハイマー型認知症は、持病がなく体が元気であれば、発病から7~8年で寝たきりになるのが平均的です。アルツハイマー病は、脳の萎縮は側頭葉や頭頂葉と呼ばれる神経細胞の密集した、皮質という表層部分だけにとどまっています。

そのため初期から中期にかけては、記憶力や判断力など知的な働きは少しずつ落ちていきますが、体の動きには支障が出ません。下半身が健在なので、徘徊したり迷子になったり対応に苦慮します。男性の場合は、介護に対抗して、暴力をふるうことも珍しくありません。発病から4~5年は歩行障害や尿失禁の症状がでることは珍しいです。

長い年月をかけて脳の萎縮は進行していきます。やがて前頭部に位置する運動野と呼ばれる体を動かす司令部や、脳の中心部の基底核という筋肉の緊張や姿勢を保つ中枢にまで及んできます。認知症治療薬のアリセプトを飲んでいても、脳の萎縮は止まりません。

認知症の人が寝たきりになる最初のサインは、歩行が小刻みで不安定になることです。膝に体重をかけられずに曲がってしまったり、小刻みに歩くだけでなく、姿勢が極端に左右へ傾いたりします。歩くと転びやすくなり、大腿骨骨折や圧迫骨折が起こりがちです。骨折は寝たきりまでの時間を早めます。

骨折がなくても、肘や膝の関節が固くなって、手足の動きが少なくなります。アルツハイマー病の発病から早くて5~6年、遅くても7~8年です。排尿や排便に介助が必要で、オムツ・リハビリパンツは欠かせません。

脳委縮は極限まで達し始めるので、知的な働きは少なくなり、声掛けに対しても適切な反応や言葉が返ってこなくなります。話しかける人の方は向きますが、言葉がほとんどで亡くなります。ただ、ぼんやりと目を開けている時間も長くなり、車いすに乗れる時間も短くなり、終日ベッド上の寝たきり生活に移行するのです。

ほか病気による認知症のケース

ほかの病気による認知症疾患も、経過の早い遅いはあっても、終末期は寝たきりになります。

早くから寝たきり状態になりやすいのは、レビー小体型認知症です。もともと発病の初期からパーキンソン症状という体の動きが緩慢で、起居動作が困難ですから、車いすの生活、尿失禁も早くからあらわれます。

一方、寝たきりになるまでの期間が長いのは、前頭側頭型認知症です。初期は、奇想天外な行動がおもな症状で、早くから支離滅裂な言動を繰り返しますが、比較的身体は元気です。

しかし、精神的な衰退が起こり、うつろに目を開けているだけ、やがて歩こうともしなくなり、アルツハイマー型認知症の終末期と変わらない状態になります。前頭側頭型認知症の発症しやすい年齢は、60~70代にかけてです。経過は長く、10年~15年で寝たきり状態になります。

脳血管性認知症は、脳内の高速や出血部位が広範囲で、当初から歩行障害や起居動作が困難なケースも、寝たきり状態への移行は早いです。

寝たきりの在宅介護は困難

アルツハイマー型認知症や脳血管性認知症に対する医療は、認知症の症状緩和や進行の遅延を目的とした対症療法がおこなわれることが多いですが、認知症の進行度合いが中期を過ぎ、終末期近くになると、合併するほかの疾患の治療と予防に、診療の重点が移っていきます。認知症の進行は止められないので、もはやあきらめることになります。

認知症の進行とともに、ほかの病気がないか、食事がとれているかが、以後の余命を左右します。発熱、脱水、栄養状態低下が続くと、ただでさえ衰えた脳機能が一層低下してしまい、認知症の症状を悪化させます。ここまで認知症が進行すると、ほとんどが介護施設での生活となります。

身辺生活の介護のほかに、痰を吸引したり褥瘡の処置をしたりといった医療処置が必要になるからです。1日4~5時間おきのオムツ交換も、介護する家族には負担になります。介護する家族は無理をせず、適切な介護施設への入所を検討することですね。

認知症・終末期の症状と対策

嚥下障害、誤嚥性肺炎の対策

認知症の寝たきり状態で対応困難な症状の一つに、食べ物を飲み込めなくなる嚥下障害があります。嚥下障害が起こる時期は言葉を失うだけでなく、発生する筋肉の動き、食物を飲み込む咽頭や口頭の筋肉の動きも鈍くなります。

嚥下反射といって、食べ物を飲み込むときにその刺激で声帯付近の筋肉が自動的に締まり、食べ物が気道に入っていくのを防いでいます。嚥下反射が弱まるために、食べ物の断片が気道に入りやすくなり、食事の時にむせるようになります。

気道に入った異物は、痰として気道の外に吐き出されるのですが、その働きも弱くなると嚥下性気管支炎や誤嚥性肺炎を起こしやすくなります。対策としては、食べ物にとろみをつけたり、時間をかけてゆっくり介助するなどの工夫が必要です。

発熱の対策

発熱の多くは、呼吸器感染か尿路感染です。食事摂取量が低下しているので、血液中のたんぱく質も減り免疫力も落ちています。通常の風邪や下痢でも、すぐに肺炎や脱水につながるため、早めに抗生物質を投与する必要があります。

感染は繰り返す傾向があるので、抗生物質の投与が頻発し、長引く傾向が出てきます。抵抗力の弱った認知症末期状態の人は、マイコプラズマ肺炎や敗血症を引き起こし、命とりになることもあります。対策としては、感染を予防し十分な水分摂取と栄養摂取を心がければ、寝たきりになった認知症の終末期でもなんとか状態を維持できます。

けいれん発作の対策

アルツハイマー型認知症の末期や、脳血管性認知症の末期状態では、けいれん発作がみられることがあります。突然身体がけいれんし、口から泡を吹いたり目が白目になって、いまにも死にそうな状態に見えるので、家族や介護スタッフも慌てふためきます。けいれんは5~6分ほどでおさまり、30分ほどすると回復し、元の状態に戻っていることがほとんどです。

脳の神経細胞が多数死滅していくと、神経細胞と神経線維の連絡も途切れ、それが刺激となってけいれんが起きやすい状態が誘発されると考えられています。多くは1回限りで終わりますが、月に何回も繰り返すようなら、けいれん止めの薬を使う必要も出てきます。

けいれん発作が起きた場合は、身体を側臥位(横向き)にして、口の中の物や唾液が軌道に入り込まないようにしておくとよいですね。放置していても特に問題は起こらないのですが、5~6分してもけいれんがおさまったかのようにみえて、また発作を繰り返すこともあります。

けいれん重積といって全身状態が悪化し、けいれんを早く止めなければ命にかかわることもあるので、短時間で何度もけいれん発作を繰り返す場合は、救急車を呼ぶことが必要です。

認知症の進行によるけいれん発作は、重度の認知症に多く見られます。仮に軽い認知症の人にけいれん発作が起きたとしたら、脳出血や脳腫瘍の初期症状である可能性も否定できないので、一度は脳のMRIで病変の有無を確認してもらうとよいですね。

延命治療をどこまで続けるか

自分で口を開けず、食べ物を飲み込もうとしなくなった認知症患者に、以前は鼻腔栄養がよく行われていました。鼻からチューブを今で差し込んで流動食を流すのですが、当事者が引き抜いたり、毎回毎回交換が大変です。

最近では胃瘻(いろう)といって、お腹の皮膚表面から胃の壁まで穴を開けて、そこにチューブを留置しておく方法が簡単にできるようになりました。胃瘻だとチューブ交換は半年に1回で済み、処置も簡単でチューブを抜かれることもありませんし、栄養を確実に入れられます。少しでも食べられそうなときは口からも食べることができるので、自然な形で栄養が維持されます。

胃瘻を入れる時期になると、当事者は周囲の認識が難しくなり、意思表示もできません。体はかたくなり、手は拘縮してしまいます。ちょうど赤ちゃんが丸まっている姿勢を取り、自分で体の向きを変えることさえできなくなります。ベッド上に寝かされたら寝かされたままの姿勢でいるので、あちこちに褥瘡が出やすくなります。

このような末期状態でも、胃にいつまで栄養を流し込んで延命を続けてもよいかどうか、という問題が持ち上がりますが、医師一人では判断できません。医師は認知症疾患の経過を勘案し、これから先の見通し、合併する疾患の有無など十分な情報を家族に提供したうえで、どの治療手段、栄養補給手段を選ぶか、話し合いで決めていく方法を選びます。

食べなくなったらそのまま自然に苦痛のないよう看取ってほしいという家族もいれば、生きているだけでもいいので胃瘻、あるいは点滴を続けてほしいという家族もいます。価値観や家族の事情は、十人十色ですね。

もし認知症の人が病気になる前の健康な時に、寝たきりで何も分からなくなったときの医療や処置について意思表示をしていれば、その意思に従うのが一番適切かもしれません。いわゆる「終活」ですね。終活をするケースはまだまだ少ないですが、高齢化社会を考えるとこれから普及してもよい社会的習慣といえます。

家族迫られる決断

認知症の終末期は、脳の嚥下反射が弱まって嚥下困難、誤嚥を起こし、全体的に弱っていくことが多いです。全身が弱り、水にもむせるようになると、口からものを食べられr亡くなって低栄養状態になりかねません。

対策は、点滴をするか胃ろうをするか、家族に判断を迫られることがあります。胃瘻は管理が比較的容易なので、誤嚥を恐れる介護施設では、胃瘻をすることを条件に入居継続を認める、というところもあります。

自分の唾液でも誤嚥して肺炎になることもありますし、意識のない状態で横たわるだけの姿に、「これでいいのだろうか」と悩む家族も少なくありません。

終末期に水が飲めなくなると、点滴ですいぶんをほきゅうしますが、適正量でないと吸収できない水分が肺や心臓に苦しみを与えます。

死が避けられない状態なら、次第に点滴を少なくして、やせて枯れるような状態になっていくのが一番苦痛が少ないといわれています。

死期が近づいてた状態

人間が死ぬ確率は100%です。その時が訪れたら、穏やかにできるだけ苦痛なく見送りたいものですね。死期が自覚なると、一般的に次のような状態になります。

死亡1週間以内

・トイレに行けなくなる

・水を飲めなくなる

・言葉を発する回数が減ってくる

・見た目が急激に弱ってくる

・眼に力がなくなってくる

・意識障害、夢遊病のような状態になる

死亡前48時間以内

・何をしても1日中反応が少なくなってくる

・脈拍が弱くなり、図るのも難しくなってくる

・血圧が低下してくる

・手足が冷たくなり、青黒くなってくる

・冷や汗が出てくる

・顔色が極端に悪くなる

・唾液や分泌物が咽頭や口頭に溜まり、呼吸するときにゴロゴロと不快な音が出る(死前の喘鳴)

・手足や顔などをバタバタさせる

まとめ

認知症の終末期は、もはやみずからの意思で何も決めることができません。

認知症になりたくない、ボケて家族や人様に迷惑をかけたくないのでしたら、健康なうちに運動習慣や食生活の改善に取り組むことをおすすめいたします。

-終活・認知症

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